税理士、公認会計士向け総合支援情報サイト

TOPコラム一覧令和4年分確定申告「確定申告書等作成コーナー」の機能拡充

令和4年分確定申告「確定申告書等作成コーナー」の機能拡充

2022.09.22

はじめに

国税庁は令和4年分確定申告から、「確定申告書作成コーナー」で提供しているサービスを拡充する。マイナポータル連携によるサービスがさらに充実するほか、スマートフォンからでも青色申告決算書・収支内訳書が作成できるようになる。

国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に従って金額などを入力するだけで、所得税や復興特別所得税、消費税、地方消費税、贈与税の申告書や青色申告決算書・収支内訳書等の作成・e-Taxによる提出ができる。

この「確定申告書等作成コーナー」のサービス機能が、令和4年分確定申告(令和5年1月上旬)から拡充する。

拡充するサービスは3つ。

  • ① マイナンバーカードの読み取り回数が1回に
  • ② 青色申告決算書・収支内訳書がスマホで作成可能
  • ③ マイナポータル連携による申告書の自動入力対象が拡大

1.マイナンバーカードの読み取り回数が1回に

過去に確定申告書等作成コーナーにおいて、マイナンバーカード方式で申告した納税者を対象に、令和5年1月から、マイナンバーを利用して申告する場合、マイナンバーカードの読み取り回数が1回になる。従来は、e-Taxのログインに始まり、e-Tax登録情報の確認、電子署名の付与において、計3回の読み取りが必要だったが、令和5年1月からはログイン時のみの読み取りだけでOKになる。

img-column_202209_2_1.png

画像の出典:国税庁ホームページでの所得税等の申告書等作成・e-Taxがますます便利に!│国税庁HP

2.青色申告決算書・収支内訳書がスマホで作成可能

「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成する場合、これまでもパソコンなど一部の端末で青色申告決算書・収支内訳書を作成し、e-Taxで提出することができたが、このサービスを拡充し、令和5年1月からは、スマホでも作成可能にする。これに合わせて、パソコンの画面もリニューアルするとしている。

img-column_202209_2_2.png

画像の出典:国税庁ホームページでの所得税等の申告書等作成・e-Taxがますます便利に!│国税庁HP

3.マイナポータル連携による申告書の自動入力対象が拡大

マイナンバーカードを活用した「マイナポータル連携」は、所得税確定申告手続においてマイナポータル経由で、控除証明書などの必要書類のデータを一括取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力できる機能。医療費、ふるさと納税、生命保険、地震保険、株式の特定口座、住宅ローン控除関係の情報を自動入力することができた。

令和5年1月以降、マイナポータル連携により、医療費においては新たに1年分の医療費通知情報を自動入力できるようになる。ただ、これは保険診療分の取得のみで、薬局で医療品を購入した場合などは対象外となっている。このほか、公的年金等の源泉徴収票および国民年金保険料控除証明書がマイナポータル連携する。

今後は、給与所得の源泉徴収票 、iDeCo、小規模企業共済等掛金にもマイナポータル連携を拡大していく予定だ。

このマイナポータル連携だが、利用に当たっては事前設定が必要で、取得したい証明書などの種類を選択し、画面の案内に沿って進めるだけで事前設定が完了する。事前設定には、マイナンバーカード、マイナンバーカードを読取るためのスマートフォンやICカードリーダライタが必要。事前設定から、実際に証明書などのデータをマイナポータル連携により取得できるようになるまでに数日かかることもあるので、利用に当たっては余裕を見ておくことが肝要だ。

ページの上部へ