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消費税インボイス制度 国税庁が特設サイトで情報発信

2021.07.16

はじめに

2023年10月から消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入される。これに先駆け、2021年10月から適格請求書発行事業者の登録が開始されるが、国税庁ではこれに合わせる形で「インボイス制度特設サイト」をリニューアルし、インボイス制度に関する周知に努めている。

1.リニューアルした国税庁の「特設サイト」

2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式がインボイス制度に変る。インボイス制度は、イギリスやフランスなどですでに導入されている制度で、軽減税率導入で複雑化する消費税納税額の計算の正確性確保と、従来から問題となっている益税の廃除という観点から、日本でも導入されることになった。

インボイス制度では、インボイスを交付することができるのは「適格請求書発行事業者」に限られており、いよいよ2021年10月1日からその登録が開始される。

国税庁では、これに合わせこのほど、HPの「インボイス制度特設サイト」をリニューアルし、インボイス制度の周知に力を入れている。

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出典元:国税庁HP「特集 インボイス制度」より

リニューアルされた新サイトは、まずトップページのデザインを一新。税理士などの専門家でない一般の納税者が見ても、一目でインボイス制度に関する各種情報にアクセスできるようなレイアウトにした。

トップページには、これまでもあった「制度の概要」「取扱通達」「申請手続」のほかに、「YouTube 国税庁動画チャンネル」に掲載する「"消費税!インボイス塾!"」(全4回)、「Q&A」、「オンライン説明会への参加申込サイト(外部サイト)」の項目を加えた。YouTubeの「"消費税!インボイス塾!"」は、アニメでインボイス制度を説明しており、「消費税のインボイス制度について基礎から知りたい」と思っている納税者にピッタリの内容となっている。

そのため、会計事務所としては、2021年10月からの登録前に、顧問先に一度、このYouTubeチャンネルを見てもらうようにしておけば、無駄な時間を費やすことなく、インボイス制度で会計処理がこれまで以上に複雑化することへの理解が得やすい。

2.定期的にオンライン説明会を開催

今回のサイトリニューアルの目玉は、コロナ禍を配慮してのオンライン(Zoom)によるインボイス制度説明会。国税職員が講師となり制度の基本的な仕組みや適格請求書発行事業者の登録申請手続きについてわかりやすく解説し、その後は質疑応答も受け付ける。質疑応答は、チャット機能を利用して質問を受け付けて口頭で回答する。

参加希望者は、インボイス特設サイトから外部の申し込みサイトにアクセスしてオンラインで行う。定員100名で、7月分の受付は21日までが定員満了(7月3日現在)で終了している。今後募集するのが7月27日(火)以降の説明会。27日は、午前(11:00~11:45)、午後(15:00~15:45)の2回予定されており、受付は7月6日(火)10:00~19日(月)で定員に達し次第、受付を終了する。

3.よくある質問など分かりやすく解説

このほか、リニューアルしたサイトの詳細を見ていくと、「Q&A」には、全80問からなる「インボイス制度に関するQ&A(消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A)」を掲載。

また、2021年2月に、平成元年3月1日付直法2-1「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて」(法令解釈通達)が見直されたことから、法人税の所得金額の計算における消費税及び地方消費税の取扱いをまとめた「令和3年改正消費税経理通達関係Q&A」(計9問)を掲載している。

このほか、これまで消費税軽減税率電話相談センター(現 軽減・インボイスコールセンター)に寄せられた質問のうち、問合せが多かったものを集約し、「お問合せの多いご質問」を新たに掲載している。

4.相談センターを「軽減・インボイスコールセンター」に名称変更

インボイスの相談窓口となる「消費税軽減税率電話相談センター」は、10月の登録申請開始以降はインボイス制度に関する問い合わせの増加が想定されることから、インボイス制度に関する相談窓口であることを明確にするため「軽減・インボイスコールセンター(消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センター)」に名称を変更。専用の電話(0120-205-553)無料で、音声ガイダンスに沿って知りたい内容の番号、「インボイス制度の登録申請手続」、「帳簿・請求書などの記載事項」、「その他の軽減税率制度・インボイス制度」を選択するだけとなっている。受付時間は、午前9時から午後5時まで(土日・祝日を除く)。

国税庁では現在、10月からの登録申請をスムーズに行えるように「e-Taxソフト」、「e-Taxソフト(WEB版)」及び「e-Taxソフト(SP版)」の開発を進めている。個人事業者は、e-Taxソフト(SP版)を利用するとスマートフォンやタブレット端末からもe-Taxで登録申請手続きを行うことができるようになる。

e-Taxソフトは10月1日から利用可能。なお、登録後に受領する登録通知についても、e-Taxで登録申請した場合にはe-Taxでの受領が可能になる。

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