職員採用 ~求人票を見直すことで応募が増える3つのポイント~
2020.11.27
毎年12月(今年は18日)に税理士試験の合格発表がありますが、これ以降に活発化するのが会計事務所の採用活動です。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、採用活動もオンラインを取り入れる会計事務所も少なくありませんが、対面・オンライン面接にしても「応募者数を増やしたい」「人材のミスマッチを減らしたい」と考えるのであれば、求人票の打ち出し方をひと工夫することが重要になります。
なぜなら、求職者が転職・リクルート活動をする際、真っ先に目にするのが「求人票」であり、「応募したい」と思わせる入口だからです。
では、求人票をどう見直せばよいのでしょうか?
ここでは、求人票の打ち出し方のポイントを3つ挙げておきます。
- 1.募集背景の見直し
- 2.業務内容の見直し
- 3.求めるスキル・経験の見直し
1.募集背景について
会計事務所の求人票の「募集背景」の記載でよく目にするのが「組織拡大に伴う人員増」「欠員募集」という内容です。求職者は、「この事務所はどうして採用しているのか」という具体的なことを知りたいので、漠然とした内容ではなく、具体的な背景を記載することが大切です。また、成長事務所であるというイメージを与えることも不可欠です。多くの求職者は成長している事務所に応募します。
こうした点を踏まえ、募集背景を「法人税部門の案件増加に伴うメンバーの拡充」「資産税チーム立ち上げに向けた募集」といった具体性を持たせ、事務所の成長のための人材募集という前向きな内容に修正すると印象が全く変わります。
従前の「欠員募集」とだけ書いていたのであれば、穴埋め採用で事務所のマイナスイメージになるので気を付けてください。
2.「業務内容」の記載見直し
求人票に書かれた「業務内容」でよく目にするのが、「法人税務全般、月次決算:仕訳、会計ソフト入力、期末決算関係全般処理・税務申告業務・税務対応・出納管理・税務意見書作成・法人設立から清算解散業務」など、業務の羅列です。これでは、この事務所に入って何をするのか、他の事務所とどこが違う業務なのか想像がつきません。同じ内容に見えてしまえば、「知名度の高い事務所が良い」「ビッグ4系の税理士法人が良い」と一般の会計事務所は選択肢にも入ってきません。
そこで、たとえば、以下のように変えてみたらどうでしょうか。
「中小企業の決算業務並びに税務申告業務」
「資産税業務(スポット)。法人顧問を10 件程度担当していただきます。入力業務はパートスタッフが対応しますので、顧客対応がメーンです」
このような表現にすると、担当する業務をわかりやすく伝えられるほか、業務範囲や件数が明記されていると、事務量のイメージが付きやすくなります。
3.「求めるスキル・経験」は具体的に
「求めるスキル・経験(資格)」の記載でよくあるのが、「税理士、公認会計士、科目合格者(法人税を含む3 科目以上)、簿記1級以上」などといった記載です。求人募集は、なるべく幅広く求め、あまり限定しない方が応募者を集めやすいほか、より具体的に記載することで採用のミスマッチも少なくて済みます。
幅広く募集するならば、補助的な経験でも応募可能であることを伝え、応募のハードルを下げることが大切です。また、企業の経理から会計事務所へ転職を希望する人も許容できる場合は、その旨を記載したほうが応募者を集めやすいです。また、科目免除者や時短勤務希望者も応募可能であると門戸が広がります。
こうしたことを加味し、たとえば、
【資格】 税理士(免除可)、科目合格者( 2 科目以上)、公認会計士
【経験】 会計事務所にて記帳、申告業務(補助)、税理士補助業務、一般企業にて経理業務、税務申告補助
※上記経験をお持ちの方であれば時短勤務などの相談も可
と修正すると、より応募のハードルが下がり、求めている人材のミスマッチも少なくなります。
このほか、「会計事務所の魅力」も求人票にはよく記載しますが、仕事内容だけを紹介するのではなく、働きやすさなども記載したほうが求職者を集めやすくなります。たとえば、従来は会計事務所の魅力について「税務・会計の幅広い知識が得られる」「大規模クライアント(上場子会社など)を対応できる」など記載したとしていたら、これを「子育て中の女性活躍中!ワークライフバランスを大切にする風土」「部署異動もあり、長期的にキャリアアップが図れます」などと掲載内容を改善し、事務所の雰囲気や風土や女性も活躍できる職場、さらには、入社後のキャリアアップがイメージしやすいように改善します。
こうした求人票の記載内容の見直し、表現方法を変えるだけで、求職者からの応募が格段に改善されます。是非、お試しください。