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滅多に入れない大手データセンタに大潜入

平成24年2月14日(火)

■NECネクサソリューションズ 第二データセンタ

 

 関東エッサムファミリー会主催、企業研究シリーズの第5回目の見学先は、「NECネクサソリューションズデータセンタ」です。

 データセンタとは、インターネット用のサーバやデータ通信、固定・携帯・IP電話などの装置を設置・運用することに特化した施設のことで、特にインターネット接続に特化したものをインターネットデータセンタという場合があるようです。

 昨年3月11日の東日本大震災以降、会計事務所業界でも高まっているBCP(事業継続計画)の重要性ですが、その中でも特にITに関連する部分についてのセミナー開催と、実際にデータセンタを見学してきました。

 

■データセンタの機密性

 今回の見学先である「NECネクサソリューションズ 第二データセンタ」は、都内から公共機関を利用して1時間程度の“範囲”にあります。“範囲”というのは、データセンタの機密性により、ご参加された先生方以外は場所を教えることができないからです。ちなみに参加者全員が機密保持合意書にサインをしています。

 データセンタの機密性(アクセス権を持つ者だけが、情報にアクセスできることを確実にすること)というと、ネットワーク経路のセキュリティのイメージが非常に強いですが、実は物理設備経路のセキュリティも非常に重要なポイントです。

 実際にデータセンタの外観には、データセンタと認識できる目印や会社名などはなく、何の建物か全くわかりません。建設途中では近隣の方は病院かスポーツジムができるのではと噂になったほどです。

 この他にも入館時のセキュリティ(ICカード、生体認証、インターロックなど)も大変厳しく、データセンタ内の写真撮影はもちろん不可でした。

 いままでの企業研究シリーズの記事は、見学先の写真とともにお伝えしてきましたが、今回はご了承ください!

 

 

 

■『IT-BCP(事業継続計画)』

  『IT-BCP(事業継続計画)』とは、被災時でも、業務を支えるITシステム(ITサービス)を止めない、または、早期に復旧することで、経営の損失を最小限にする取り組み及び計画のことをいいます。

 私どもの業務もそうですが、会計事務所においても多くの業務はITに依存しており、業務を継続するためにはITの継続が必須となっています。そこで経営者に求められる事業継続のポイントは「いかにして被害を少なくするか」、「いかにして早く復旧させるか」になってきます。

 

 東日本大震災前までの中小企業におけるBCPの認知状況についての調査結果では、「BCPを知らなかった」企業が約半分を占めていることから、BCPに対する認知度、策定状況がともに低いことがわかります。

 また、東日本大震災を受けてBCPにおいて特に対策が必要だと考える項目の4位に「情報資産(サーバーやシステム)の安全・稼動確保」が上がっており、BCPの中でもITの重要性は非常に高くなっています。

 

 ご参考までに、中小企業庁による民間企業向けBCPガイドライン「中小企業BCP策定運用指針」がありますのでご紹介します。ここでは、指針の他に現状の簡易診断ツールや簡易策定ツールなどが提供されています。ご事務所、顧問先の指針策定にご利用ください。(リンク

 

 

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■会計事務所への9つの提言

 見学を受け入れて頂いたNECネクサソリューションズ株式会社様より、BCPについて9つの提言を頂きましたのでご紹介します。

 

1.バックアップを再確認しましょう(タイミング、保管場所)

2.職員の参集実績を確認し、参集計画を見直すとともに、それに基づいた代替手段を再検討しましょう

3.優先業務プロセスを再度、見直しましょう(業務プロセス、ITマネジメントプロセス)

4.サーバ配置を再検討しましょう(電源確保、リスク分散)

5.必要に応じDR(ディザスタ リカバリ)サイト(通常時に稼動しているシステムに何かしらの障害が発生したときに、代わってサービス提供などを行う予備システムや設備のこと)の検討、準備を行いましょう

6.現在、データセンタを利用している場合、あるいはこれから利用検討を行う際には、そのスペックや実績を再確認しましょう

7.BCPを用意していた場合は、今回の震災におけるBCPの実行状況を確認し、問題点の洗い出しと見直しをしましょう

8.そもそもBCPを策定していない場合は、早急にBCP策定に着手しましょう

9.早い時期に、災害を想定した総合的な訓練を実施しましょう

 

 

 

 

■今回見学したNECネクサソリューションズのデータセンタの特徴をご紹介

  ①免震構造

電源設備や空調設備なども全て免震構造の上に設置されているため設計上、震度7クラスの震災においても、通常どおり稼動可能です。

東日本大震災の時でも、センタ内で勤務されていた方はほどんど揺れを感じなかったそうです。

 

②冗長化された電源設備

データセンタにはUPS(無停電電源装置)と非常用発電設備が複数台設置されており、瞬断や停電、電圧の乱れなどからシステムや大切なデータを守り、施設全体のシステムダウンを防いでいます。

 

③環境への配慮がされた館内設備

NECネクサソリューションズ 第二データセンタの特長として環境対策があります。電力消費とCO2の削減など、企業に求められるエコ経営を情報システム基盤から支援しています。具体的には、最新の空調設備や省エネタイプの蛍光灯により消費電力を削減し、有害物質・ガスが発生しない環境にやさしい資材を採用しています。

 

 

④24時間365日の運用監視体制

専門スタッフによる24時間365日体制で、サーバ状態と外部からのアクセスを監視しています。ネットワーク経由の攻撃や、第三者の不法侵入などの人的脅威を防御します。システムの安全稼動と顧客情報や機密情報を守ります。

 

 

 また、無機質な閉塞間のある従来のデータセンタは、マシン中心で人的配慮がなされていなかった点などにより、人為的なミスが原因の障害を誘発し、その障害はデータセンタで発生する障害の50%を占めていたそうです。

 その対策として、明るさと空間のゆとりを確保することで、作業のしやすさを追求しているとのことです。

 

 

 

■続々企画中!

 ご参加いただいた先生方に、今回の企業研究シリーズのデータセンタ見学により、最近良く耳にするクラウドサービスなどのデータの預け先のイメージや、BCPの重要性を認識していただけ、それが事務所、顧問先の改善に繋がれば幸いです。

 

 今後も企業研究シリーズを続々企画していきます。詳細はこちらのページで随時更新していきますので、ご覧ください。

 

  

 

 

 

 

 

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