古賀 一之 先生 (九州北部税理士会・九州エッサムファミリー会 会員)
事務所訪問 第14回目は、九州北部税理士会 久留米支部の古賀 一之 先生をご紹介いたします。
古賀先生は、開業して22年になります。開業以来、事務所の移転や増築も経て、顧問先400件・職員数25名に至るまで事務所を拡大してきた経営者としてのお考えや、職員との接し方、お客様への思いなど、お話を聞かせていただきました。
■顧問先400件・職員数25名
―それではまず、開業したころのお話からお伺いします。開業当初を思い返して、印象に残っていることはありますか?
古賀:平成4年に開業するまで、勤務税理士として勤めていました。その頃、35歳くらいで開業したいと考えており、10件ほどの顧問先ができたときに開業しました。それでも、最初の1~2年はなかなか大変でした。事務所の家賃やパソコンのリース料など、経費にほとんどのお金を使ってしまって。借入をしてやりくりしていました。
—現在は顧問先が400件、職員が25名もいらっしゃるそうですね。どのようにしてお客様が増えていったのでしょうか。
古賀:ありがたいことに、知人や銀行の方などいろんな方からご紹介いただきました。1件1件増えてきたという印象です。お客様が新たなお客様を紹介してくださることも多いです。
—顧問先を増やすために工夫していることがあればお聞かせください。
古賀:お客様からのご紹介については、時々キャンペーンを行っています。お客様を紹介してくださったお客様に、感謝の気持ちを込めて図書券をお渡ししています。
また、最近はホームページを見て問い合わせがあり、顧問契約に至るケースも増えています。ホームページのリニューアルもしましたし、更新も定期的に行っています。ホームページは、職員が作ってくれた手作りのものです。
あとは多少費用をかけて、リスティング広告など多くの方に見ていただけるような工夫をしています。
■職員とのコミュニケーション
―現在は職員が25名いらっしゃって賑やかですが、開業当初は1名だったそうですね。
古賀:はい。開業して以来、毎年1人ずつ採用してきました。開業当初は、確定申告が終わった時期にみんなで泊りがけの旅行に行っていたのですが、人数が増えるにつれ難しくなってしまいました。
その代わり、最近は職員とその家族をお招きして食事会を開いています。毎年欠かさず行っている行事です。この食事会は、今後も続けていこうと思っています。
―職員の指導はどのような取り組みをしていらっしゃるのでしょうか。
古賀:職員の中には、入所当時、簿記の知識がない方もいました。そこで、勤務時間内に簿記学校に通って一から勉強していただいたこともあります。その後、事務所内で実務など本格的な研修を行っています。
研修の内容は、接客や一般常識から税務まで、様々です。また、研修は新入所員に限ったことではありません。所内で毎月1回開催している研修に、年間6回以上参加することを職員には義務付けています。
―研修の講師は先生が担当されるのですか?
古賀:わたしが講師をすることもあれば、職員が担当することもあります。外部の研修に参加した職員が、その内容を他の職員に教えたりしています。
研修以外でも、職員にいつも指導しているのは、相手の立場に立って判断してほしいということです。親切・丁寧に話せているか、独断的にならず相手の話をよく聞いて、柔軟な対応ができているかに気を配っています。
■業務の効率化
―先生は顧問先の自計化を積極的に推進していらっしゃいますね。
古賀:そうですね、エッサムの顧問先用経理ソフトを推奨して、顧問先の自計化を進めています。事務所と顧問先でデータの共有ができていないと、決算時のデータのやり取りなど二度手間になってしまいます。的確なアドバイスも迅速にできるようになって、お客様の為にもなっていると感じます。
―業務の効率化としては、文書の電子化もかなり進めていらっしゃるようですが、導入されてみていかがですか?
古賀:以前は、確定申告や決算のたびに印刷して紙でチェックしていましたが、ここ数年、ドキュワークスを活用してパソコンの画面上でチェックするようになりました。わたしがチェックした後は、電子職印を押しています。電子化すると、紙の消費量が以前の3分の1程に減ったように思います。申告書、決算書はもちろんですが、その他も電子化して、紙で出力するものはほとんどなくなりました。節約にもなり、大変便利で助かっています。
―同じく業務の効率化として、エッサムの財務・税務遠隔操作システム「リモートステーション」についてはいかがでしょうか。
古賀:実は職員の一人が遠方に引っ越したのですが、自宅でも仕事ができるようにと考えています。今はまだ実験段階ですが、いつでもどこでも、事務所にいなくても仕事ができるような環境を整えたい。その結果、事務所の設備投資が減ってランニングコストを抑えられる効果もあるのではと期待しています。
顧問先とのデータのやり取りや自計化にも利用できるので、リモートステーションは今後積極的に活用していこうと思っています。
―ありがとうございます。それでは最後に、先生の今後の目標があればお聞かせください。
古賀:現在顧問先が400件で、毎年20件ずつくらい増えていっています。当面は、500件を目標に頑張っていこうと思います。
ただ、顧問先が増え業務を拡大したとしても、地域に密着し、顧問先から信頼される事務所であり続けたいと思っています。
―本日はお忙しい中、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。古賀 一之 税理士事務所のますますのご発展を祈念しております。
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■古賀 一之 税理士事務所のOne Point!■
「志、高く」
開業するという目標をたててから今日まで、常に新たな目標を掲げ、実行し続けてきた古賀先生。その志の高さは今もなお変わらず、よりお客様の為に、より職員の為に、と考え続けていらっしゃる姿が印象的でした。
我々も常にチャレンジ精神を忘れず、先生方のお役にたつサービスを生み出し続けなければという思いを新たにしました。
【取材後記】
独立開業時の顧問先10件から今にいたるまでの先生の志の高さを実感しました。また現在は、顧問先500件を目標とし常に現状に満足することなく努力を続けられている姿に感服いたしました。
顧問先様に対しては、親切・丁寧・相手の立場に立つ・独断的でなく柔軟性を持つ事で信頼される事務所を目指しており職員皆さまの対応は正にその通りです。先生の人柄が事務所のカラーとなっていると思いました。
※文中、「エッサムの財務・税務遠隔操作システム リモートステーション」について詳しくはこちら