第12回 吉田税理士事務所
吉田 靖司 先生 (近畿税理士会・京都エッサムファミリー会 システム研究部 部長)
事務所訪問 第12回目の今回は、京都エッサムファミリー会システム研究部部長である吉田 靖司 先生の事務所をご紹介いたします。
吉田税理士事務所は今年で開業70年という、大変歴史のある事務所です。最後の写真で吉田先生と一緒に写っている看板は、50年前に掲げられていたとのこと。 吉田先生のお客様との関わり方や事務所運営について、また京都エッサムファミリー会システム研究部部長としてのお立場から様々なお話を聞かせていただきました。
■事務所の歴史と運営について
―吉田先生の事務所はお爺様の代から会計業務をされているとお聞きしておりますが、今年で何年目になるのでしょうか?
吉田:おかげさまで祖父が開業して以来、今年で70年を迎えております。何とかこの地で長く看板を掲げてこられました。まだ父も元気で二人揃って仕事をさせていただいております。また、長くお付き合いのできるお客様に恵まれていることに非常に感謝しております。
―長くご商売を続けられるお客様に恵まれた事も大きいと思いますが、吉田会計様のお客様と向き合う姿勢があっての70年だと思います。先生はお客様に対してどのような心がけでご対応されていますか?
吉田:お客様が税理士事務所に求められることは、お客様ごとに違います。また、その時代時代に合わせたご要望がありますので、いち早くお応えすることが大切だと考えております。
更にはこれからどのようなご要望があるのかと先々を考えながら対応してきた事が、当事務所に対する安心に繋がり、今日を支えているのだろうと思っております。
―先生の事務所は総勢10名という大所帯ですが、先程の先生のお考えはどのように職員の方にお伝えし、浸透させていらっしゃいますか?
吉田:当事務所では、お客様毎に担当の職員を決めております。もちろん仕事はできるだけ分業し、みんなで助け合う方が効率はいいと思います。しかしそれではなぜこの仕事がお客様にとって大切なのか、なぜお客様がそのことを気にかけておられるのかなど、わからなくなることが多いと思います。そこで、できるだけお客様の立場にたって求められていることが何なのかを自ら考え、責任を持って仕事をしてもらえるようこの体制にし、私の考えを伝えております。
■システム研究部部長として
―お父様の代からエッサムのシステムをお使いいただいておりますが、これまで使っていただいて、またこれから使っていく中で、何かご要望がありましたらお聞かせください。
吉田:これまでのことで言えば、エッサムのシステムを導入した当時は世の中にまだあまりパソコンがなかったので、事務所内のインフラ整備としてまずパソコンを導入することに重きを置いていました。これにより、周辺機器も含めて、事務所内のインフラ整備は完了したと言えるぐらいになりました。
しかし、インフラ整備をすると同時にインターネット環境も発達してきましたので、今後は事務所内部の環境だけでなく外部とのネットワーク環境を構築する必要性が高まってきています。ですからエッサムにもぜひ、そのような外部環境の変化に合わせた対応にいち早く取り組んでいただきたいと思っております。
―先程のお客様とのお付き合いのお話の中で、時代の動向を踏まえ、これからどうなっていくのか先々を見越した対応をされているとのことでした。エッサムもその一役を担いたいと考えております。
では次に、先生には2003年より京都エッサムファミリー会のシステム研究部部長に就任していただき、今年でちょうど10年目となっております。今後部長として、また京都エッサムファミリー会システム研究部として、どのような取り組みをしていきたいとお考えでしょうか?
吉田:もう10年になりますか。長くお世話になりありがとうございます。
その間に、エッサムというソフト開発会社も含めて、我々税理士を取り巻く環境が著しく変化するなか、皆さん対応に苦慮しておられます。これからますます業務のデータ化が重要となり、データを外部に預けたり、そもそも外部でソフト、データ、アプリケーションの処理を行うなど、この3つそのものが全部事務所の外に出てしまう、という状況も珍しくありません。その中で、この環境をいかにして効率的に活用していくか、いち早くそういうことに観念的に取り組めるかなどの提案を行っていきたいと思います。
―最後になりますが、今後エッサムファミリー会に期待する事があればお聞かせください。
吉田:先程もお話しましたが、我々税理士を取り巻く環境の変化が本当に激しいなか、システム開発をしておられるエッサムも非常な努力をしていただいていることと思います。
エッサムファミリー会は会員が母体となる組織ですから、会員が主体となり、開発者であるエッサムとお互いにいち早く要望や対応を協議しながら協力していける体制をより強化する必要があります。そうすれば更に使い勝手のよいシステムが出来上がるのではないでしょうか。その意味で、エッサムファミリー会がシステム開発において良い役割を担えるような会になっていただければと思っております。
―本日はお忙しい中、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。今後も会員という立場、京都エッサムファミリー会のシステム研究部部長という立場で末永くお付き合いいただければと思っております。
吉田税理士事務所のますますのご発展を祈念しております。
吉田税理士事務所
〒602-0816
京都市上京区寺町通今出川上ル二丁目
西入北横町348番地
TEL:075-222-1061
FAX:075-222-1270
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■吉田税理士事務所のOne Point!■
「お客様のご要望に、いち早く」
お客様からのご要望にお応えすることはもちろんのことですが、更に先々を見越した対応をすることが大切だとおっしゃられていた吉田先生。
環境の変化にもいち早く対応し、着実にお客様との信頼関係を築いてこられた真摯な姿勢が、事務所の70年の歴史を支えているのだと感じました。
財務・税務システムの開発者として、エッサムも見習うべき姿勢であると強く感じさせられました。
【取材後記】
歴史と伝統のある京都で70年続く吉田税理士事務所。
環境の変化に素早く対応するという視点より、日頃からシステムに対して建設的なご意見を頂きます。取材を通して、吉田先生のお客様を思う気持ちとシステムの利便性を思う気持ちがとてもよく伝わってきました。エッサムファミリー会も、会計事務所とお客様がより深い信頼関係を築いていくことに寄与できる団体でありたいと思います。
お忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、有難うございました。