第34回 トランスオーシャンバス株式会社(山形県新庄市)
インバウンド需要を逃さず 地域の発展に寄与するチャレンジャー
地方都市でのインバウンド需要が全国的に高まっている中、
その需要を如何に地域活性化に繋げるかが注目されています。
山形県の観光バス会社であるトランスオーシャンバス様は、
県内でもいち早くインバウンド事業に着手しました。
コロナ禍の大きな影響を受けながらも、その後の展望も見据えた事業展開について、
社長の佐藤様と顧問税理士の髙山先生にお話しを伺いました。(20年5月取材)
バスを観光以外で有効活用
―まずは事業内容についてお聞かせください。
社長:弊社は観光バスの運行を行うトランスオーシャンバスを基軸に、
旅行会社のトランスオーシャンツーリスト、そして、レンタカー事業を行う
トランスオーシャンレンタカーの3社を経営しています。
様々なニーズにおこたえするため、大型バス・中型バス・小型バス・マイクロバスなど、
様々な種類の車両を複数台保有しております。
■整然と並ぶ観光バスはまさに壮観
―観光バスというと"旅行"を想像しますが、その他の用途についてお聞かせください。
社長:観光旅行以外にも観光バスの有効活用として送迎サービスも行っております。
冠婚葬祭のバス送迎や空港やゴルフ場への送迎、
視察や社員の研修旅行など幅広い用途でご利用いただいております。
お客様にニーズの合ったバスをご用意しております。貸切バスであれば他の人に気兼ねすることなく
快適にご利用頂けますので大変好評を得ております。
また最近では、工場で働いている従業員の方々の送迎など、
企業様からの送迎依頼も増加しており、当社では三交代制でご対応させていただいております。
■優良なバス会社のみに与えられる"セーフティバスマーク"3つ星を受賞
―柱となる観光バス事業ではどのような工夫をされていますか?
社長:グループ会社で連携し、ランドオペレーターの業務も行っています。
ランドオペレーターとは、旅行会社から依頼を受けて、
旅行先の旅館やバス会社などの手配するのが主な業務です。
快適な旅行を楽しんでいただくためには、とても重要な業務といえます。
当グループでは、通常は外注に出されるこれらの業務を自社で行うことで、
他社に比べてより迅速な手続きを行うことを可能にしています。
このランドオペレーター業務は主に仙台の事業所で行っており、
中国出身の従業員が主力として取り組んでくれています。
弊社のインバウンド事業では台湾のお客様が多いため、とても心強い存在です。
インバウンド需要にいち早く着目
―現在はコロナ禍の影響は否めませんが、
潜在的なインバウンド需要は、まだまだ高まりを見せているそうですね。
社長:はい。山形県では、県が主体となってインバウンド誘致に取り組んでいます。
その中で一番大きく影響しているのが、
山形空港を発着する、台湾からのチャーター便の存在です。
2018年より運行を開始し、今では台湾からの観光客が年間20万人以上訪れるようになり、
山形県を訪れる外国人旅行者の4割を占めるまでに至りました。
私達はこのチャーター便ができる前から、
今後さらに県内への海外からの観光客が増加するだろうと予測し、
地域の中では早い段階でインバウンドを対象にした事業に着手しておりました。
―先手必勝というわけですね。具体的にどのようなことをされたのでしょうか?
社長:インバウンド事業をさらに成長させるためには、多くの顧客を獲得することが必要です。
そのために、私自身が台湾に出向き、旅行会社との交流を重ねてきました。
現地の旅行会社とのパイプを太くすることが必要だと考えたからです。
その甲斐あって、現在では現地の旅行会社と直接やりとりをして
仕事を受注できるまでになりました。
―信頼関係の構築が何よりも重要ということですね。その後の首尾はいかがでしょうか?
社長:正直なところ、始めた当初は利益をなかなか上げることができませんでした。
というのも、運賃規制をめぐる様々な問題から、低料金で受注するしかなかったからです。
しかし、国主導で規制の見直しが行われるなど、適正価格化が進んでおり、
現在では安定収益を上げられる大きな事業の1つとなっております。
観光分野で地域活性化に貢献
―最後に、今後の目標をお聞かせください。
社長:今後もインバウンド事業を中心に取り組んでいきたいと考えています。
しかし、現在は新型コロナウイルスの流行により国内外の観光客数が大きく落ち込んでいます。
さきほどお話しした山形空港発着のチャーター便も中止しております。(20年5月取材時点)
しかしながら、年内にはチャーター便も再開する予定のようなので、
観光バスの運行も徐々に回復すると見込んでおります。
またインバウンド事業とは別に、地元の観光業にも力を入れていきたいと考えています。
修学旅行や社員旅行など、地元の観光も手がけ地域の活性化に貢献したいと考えています。
今こそグループで連携し、業務に取り組んでいきます。
一刻も早く新型ウィルスの収束を願うばかりです。
信頼のおける顧問先
―髙山先生、最後にトランスオーシャンバス様の印象をお聞かせください。
先生:何事にも前向きにチャレンジされている姿にはいつも感心させられております。
社内の風通しも良く、社員同士の連携も十分になされている印象です。
今後しばらくは、苦しい状況が続くと思いますが、
佐藤社長を先頭に社員の皆様の力をもってすれば、
必ず苦境を乗り越えられると信じておりますし、
私も微力ながら精いっぱいサポートさせて頂きたいと考えております。
■左から髙山先生、佐藤社長、職員の方
―本日は貴重なお話をありがとうございました。今後ますますの発展を祈念しております。
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トランスオーシャンバス株式会社
代表者 佐藤 敏英
設立 1996年
所在地 山形県新庄市大字泉田字上村西422
TEL 0233-25-2264
URL http://to-bus.com/
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髙山孝治税理士事務所
税理士 髙山 孝治
(山形エッサムファミリー会研修副部長)
所在地 山形県新庄市常葉町2番36号203
TEL 0233-29-3901
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