第32回 株式会社中国警備保障(山口県岩国市)
急がず 焦らず 怠らず
【はじめに】
1962年、警備業は産声を上げた。それ以前はこの世になかった職業「警備士」。2020TOKYOオリンピックでは、各関係機関と連携して14,000名を超える警備士達が多くの会場で安全安心を支える。
前回大会では選手村のみ、わずか100名程度の用命であったことを思えば世間に認知されるようになった警備業であるが、業界誕生から半世紀を経て、ステイタスを得られるか否か、真に必要とされるサービスを確立できるか、岐路に立つ現在、異彩を放つ存在として業界内外で注目を集めている。
■豊島貴子社長
【現 在】
2019年末、本社を構える山口県岩国市に「CGSトレーニングセンター」が完成した。2200坪の敷地に研修棟と実地訓練場を備えている。「教育の中国警備保障」を自負する我々が、今後も多くのクライアントに「品質」をお約束する強い意思表明である。近年各業界では規制緩和が進んできたが、警備業法によって警備士への教育指導から業者の在り様などまで事細かに指定され、簿冊への記載も義務付けられているため、毎年必ず当局による立ち入り検査が行われる。不備があれば行政指導を受け、場合によっては認定取り消しもあり得るが、業法はあくまでも基本を唱っているに過ぎず、クオリティを担保する為には、独自のノウハウが必要不可欠になる。
弊社は「規制の中国警備保障(山口県方式)」と呼ばれ、国道や高速道路、交通量が多く危険性の高い場所で行われる新設および改良工事、電気・ガス工事、また近年は特に災害復旧工事等々で高い評価を得ている。ここに至るまでに様々な困難に直面してきたが、その都度、現実を直視し、課題に向き合い愚直に取り組んできた結束力が一番の強みと言える。
また平成8年・15年・22年・28年と優良申告法人表敬を頂戴しており、直近の28年表敬状には「適正申告のための態勢が極めて優良と認められる」との一文が添えられている。①会社を存続させる②一円でも多く税金を納める③一人でも多く雇用する、を経営の指針としている私の意図を汲んだうえで懸命に責務を全うしようと努めてくれている、社員一人一人の真摯な姿勢を心から誇りに思う。また、再分配は最も適正に行う必要があり、働き方改革が話題になる5年以上も前から、全社システム化を進め、管理会計を先鋭化させ、年代別に必要と思われる施策を計画的に丁寧に推し進めた結果、離職率は大幅に減少し、昨年度からは増加に転じた。
■CGSトレーニングセンター
【過 去】
1979年創業。当時の岩国市(日本中の地方都市)は旅行と夜以外に鍵をかける必要もないほど、のんびりしていた。創業者(実父)は鉄工業を営んでおり、時代はまさに鉄冷えを迎えていた。一念発起して「警備業」を起業したものの、何一つノウハウのない中、警備業法だけが指針となる。ゆえに最低限のサービスしか提供できず、クライアントからは厳しい指摘を受け、経営的にも厳しい負のスパイラルから抜け出せずに5年が過ぎた頃、「全員参加の朝礼を明日からやる!」この創業者の一言は、「教育の中国警備保障」への厳しく長くしんどい、チャレンジの始まりとなった。
「おい、こら!そこの警備員!」といった通行車両からの心無い言葉や、時には中身の入った缶を投げつけられるという創業者自身の体験は、社員に向けられる蔑みを跳ね返すためには、品質にこだわりプロとして自他共に認められること、という結論を導き出す。創業者を先頭に役員は6時には出社。各営業所を持ち回りで巡回し、警備士へ挨拶・身だしなみ・礼式訓練を行い、現場への送り出しを最後の一人まで。当然現場にも入り現地指導も行った。また、それまで工事請負業者が行っていた規制業務を全てお引き受けする方式を考案、いわゆる山口県方式を確立していくことで大手土木建築会社との取引が拡大。電気・ガス・電話といった生活インフラ事業者からの用命も年を追うごとに増えていった。
お客様からのリクエストにお応えするだけではない提案型営業を展開。「クリエイティブ・ガード・スタッフ」として「CGS」のロゴが浸透していく。おかげで、きらら博覧会・国体・ジャンボリー世界大会・ゆめ花博といった、大型イベント受注が叶い、成功に寄与できた実績は、未来への大きな希望へつながっていった。
■社内総合訓練
【未 来】
警備というサービスに留まらない、市場の潜在ニーズに素早く対応できる企業へと進化していくために、創業40周年を機に社名を「CGSコーポレーション」と改める。社長就任時「自分の人生のすべてをかけて社業に臨む」と社員に約束をした。
くしくも就任10年、第一次長期計画の年度を終えて、世の中は思う通りにしかならないと実感している。創業時、「山口県で一番になる」と言った言葉を誰も真剣には聞いていなかった(と思う)。しかし、当の創業者は、その為に今何をすべきか、とまっしぐらに突き進んでいた(と今になって理解できた)。今の実力では到底無理だろうという野心や野望を抱く人間を、人は時に「身の程知らず」というのかもしれない。
しかし、それが「至誠」であれば、自然に人は集まり、そして知恵を生む。
我々は2020TOKYOオリンピック警備に挑戦する機会を得た。あの地で一体どんな景色が広がっているのだろう。そして、それを乗り越えたその先がもっと楽しみでたまらない。グループ総勢950名の仲間と共に、働く人とその家族にとって日本一の企業であることを目指して進んでいこうと思う。決して、「急がず」、「焦らず」、そして「怠らず」に。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。今後ますますの発展を祈念しております。
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株式会社 中国警備保障
代表取締役社長 豊島 貴子
設立 1979年5月
本社 山口県岩国市麻里布町3-14-14
TEL 0827-23-2081
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大原邦夫税理士事務所
税理士 大原 邦夫
(中国エッサムファミリー会広報部部長)
(株式会社中国警備保障 監査役)
所在地 広島県広島市西区己斐本町2-2-1 松永ビル1F
TEL 082-272-3501
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