第21回 有限会社ベストライフ(山口県下関市)
“人”に寄り添い質の高いサービスを追求し続ける福祉業界の革新者
有限会社ベストライフ様は2007年に設立された介護福祉を主業務とする企業です。高齢者の介護問題が社会全体の重要課題となった現代において、利用者の住み慣れた地域での生活を提供するべく、老人ホーム等の施設サービスを幅広く展開し、事業拡大を続けています。
そこで今回は、代表取締役社長山内純一氏と税理士の清田信一先生に、これまでの同社の発展の歴史と、経営理念についてお話をうかがいました。
▲清田信一先生(左)と山内純一社長(右)
■他業種から福祉業界へ挑戦
―会社設立の経緯についておうかがいします。
社長:もともとは大手ゼネコンの下請けの内装や、内装後のスペースを飲食店の店舗として貸し出す不動産事業を手がけていました。あるとき、知り合いの方から老人ホームを立ち上げるというお話をうかがい、以前から興味があったので、こちらから「共同経営をしていきましょう」とお手伝いを申し出た形でのスタートでした。その後、本格的に自らの理想を実現したいという思いが強くなり、現在のベストライフを立ち上げることになりました。
2004年に下関市での住宅型有料老人ホームの開設を皮切りに、サービス付き高齢者向け住宅など施設事業などをはじめ、その後、既存の施設にデイサービスを増設するなど介護保険事業へ拡大しました。事業拡大の過程では、経営に問題を抱えるホームの譲渡を受けるようになりましたが、事業再生を得意とされる清田先生のご指導もあり、ベストライフの一員として見事に再生を果たすことができました。
いまでは、通所介護事業だけでなく、訪問介護・訪問看護、福祉用具のレンタル・販売までを総合的に手掛け、総従業員数315名、関連法人を含めますと500名以上の会社へと成長することができました。これもひとえに、私達の事業を支えてくださる利用者様、取引先の皆様のおかげと感謝しております。
■すべては利用者のために
―御社では質の高い食事の提供にもこだわっておられるとお聞きしました。
社長:はい。老人ホームでの生活では食事・風呂・会話の3要素は大変重要だと考えています。その中でも食事は利用者の“元気の源”です。そこで毎日の献立に工夫を凝らすことに加え、季節の行事やお誕生日等にあわせた特別メニューを考案したり、ときにはバイキング形式での提供を行っています。また、2010年には、厨房業務を委託する専門の別会社を設立しました。これにより、食材を現地で仕入れるなど“地産地消”が可能になりました。さらに入居者の体調等に考慮し、担当医の指示に従った献立や、国が定めた基準(HACCP)に基づいて食中毒や異物混入を防ぐための衛生管理にも気を配っています。
▲提供されるバイキングのお料理
―利用者への暖かい想いが伝わってきますね。
社長:私たちは関わる全ての人との繋がりの中で「尊重」「安心」「貢献」を行動基準として最も重点を置いており、利用者本人の意志を尊重し、日々の暮らしを楽しんでいただけるようなサービスの提供を心がけています。一番大事なのは入居者とその家族に「この施設に入って良かった」と言ってもらえることです。そのためにも安心して任せられると思ってもらえる施設にしなくてはいけません。できるだけ多くの方に満足してもらえるよう、これからも質の高い柔軟なサービスを目指してまいりたいと思います。
■人材確保の秘訣は働きやすい環境づくり
―そのようなサービスの実現には、よい人材の確保や社内教育が鍵となりそうですね。
社長:介護事業だけに限らないと思いますが、事業成功の最大の要因は「良い人材を確保し、できるだけ長く勤めてもらうこと」に尽きます。そこで私達は、単に広告をうつだけではなく、まず現地の情報を集め、地元の人達にこまめにお声かけをし、採用に繋げるよう努力しました。
そうして採用した人材に対して、年に2回個別面談を実施し、その評価を適切に昇給に反映させ、給与に対する不満をできるだけ解消するよう努力しています。また、これまでの業務を客観的に振り返り、反省を促しながらも、今後の目標等を明確にする良い機会となっており、それがモチベーションアップにも繋がっているようです。さらに、就学前児童をもつ社員には短時間勤務を奨励したり、男性が育児休業を取得しやすい工夫をするなど、子育てしながら無理なく働ける職場環境づくりを徹底しています。
■住み慣れた住環境を提供し続ける
―今後の事業展開についておうかがいします。
社長:福岡、熊本、鹿児島など、九州地区に事業展開する当社ですが、大変ありがたいことに、ある事業者様からの引き合いもあり、関東圏への進出を検討しています。今後は、効率よく管理・運営していけるよう施設の充実もはかっていかねばならないと考えておりますが、事業の拡大ばかりを意識するのではなく、初心を忘れずお客様の満足を追い求め続ける姿勢にかわりはありません。
■イエスマンではなくアドバイザーに
―ベストライフ様とのお付き合い、ご指導の中で心がけていること等をお聞かせください。
先生:ベストライフ様に限った話ではありませんが、各企業の運営方法や経営理念を尊重するよう心がけております。だからといってただの“イエスマン”ではお役に立てないので、税理士という専門家だからこそできる経営上・税務上のサポートを月次指導の際に適切に行うようにしています。
以前、ベストライフ様の各施設の責任者を集めた研修会を開いたことがありました。その際、皆さんが私の話を真剣に聞かれていたことが大変印象に残っています。各職場のリーダーの皆さまが責任感を持って日常業務に取り組んでおられることが伝わってくる思いでしたね。これからも、お互いに求めることが“一方通行”にならないよう連絡を密にして、ディスカッションしながら、ベストライフ様をサポートさせていただきたいと思います。
―事業拡大の秘訣は、利用者へ寄り添い可能な限りニーズに応え、信頼を得ていることだと感じました。本日は貴重なお話ありがとうございました。ベストライフ様の益々のご発展を祈念しております。
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有限会社 ベストライフ
代表取締役社長 山内 純一
所在地 山口県下関市豊浦町吉永165‐1
TEL 083-775-1165
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清田 信一 税理士事務所
税理士 清田 信一
(九州エッサムファミリー会 所属)
所在地 北九州市小倉南区湯川5-4-27-2
TEL 093-932-5657
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