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第13回 株式会社 東建(宮城県仙台市)

自社責任施工で“地元に愛される企業”

 株式会社東建は「地元に愛される企業」として、仙台市宮城野の地を拠点に解体・土木・建築・リフォーム・道路鋪装から産業廃棄物収集まで、幅広く請け負っている東北屈指の土木建築会社です。東日本大震災の被害にも負けず、真心のこもった工事で多くのリピーターを生み、黒字成長を続けています。今回は、代表取締役の熊谷浩幸氏、そして顧問税理士の斉藤雅彦先生にご同席いただき、地道な努力で日進月歩、業績を伸ばし続ける同社の取り組みについて、お話を伺いました。
 

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▲左から斎藤雅彦先生、熊谷浩幸社長
 

■すべてを安心して任せられる頼もしい存在

―まずは、御社の事業内容についてお聞かせください。
社長:当社は、昭和35 年に仙台市宮城野区原町に株式会社東建の前身となる「熊谷組」を興しました。ちょうど今と同じように東京オリンピックを目前に控え、日本全体が色めいていた、そんな頃です。その10 年後、宮城野区銀杏町に移転し、さらに13 年後の昭和58 年に「有限会社東建」と改め、会社組織として動き出しました。創業以来、「地域に根ざし、愛される企業」を目標に、どんな工事も誠心誠意“ 自社責任施工”で請け負っています。「お客様がすべてを安心して任せられる頼もしい存在」が私たちの目指すべき姿です。

―自社責任施工とは、具体的にどのようなものなのですか。
社長:この業界は元請け、下請け、孫請けが存在する、ピラミッド構造になっています。そのため、下請け業者に工事を丸投げする企業がとても多いのが現状です。しかし、当社は基本的に自社の社員だけで施工にあたります。仮に外注する場合でも、当社の厳しい基準をクリアできる協力会社にしか依頼しません。工事の質、安全を維持するためは欠かせない仕組みだと考えております。

―だからこそリピーターのお客様が多いというわけですね。
社長:もちろんそれも理由のひとつだと思いますが、これは会社側の思う「信頼の証」であって、お客様が目で見て安心できるものではありません。私たちの仕事は、どんな工事であっても騒音・振動・粉塵など、近隣住民の方々に重々配慮しなければ、途端に「迷惑だ」と言われてしまう難しい業界です。
このため、解体工事の際には工法を工夫し、騒音や粉塵を最小限に抑え、工事も事前に取り決めた時間に限定しています。また、廃棄物を自社所有の収集運搬車でリサイクルに出すなど、お客様が実際に見て「余すところなく、地域や環境に配慮している会社だ」と認めていただけるよう努力をしております。


■震災の犠牲を経て

―東日本大震災では、御社も大変なご苦労をなさったと伺いました。
社長:はい。何よりも辛かったのは、現場におりました2名の尊い命が津波により失われてしまったことです。1人は夜間高校に通いながら仕事を始め、20年間ひたむきに務めを続けてくれた35歳の青年、もう1人は信頼している外注先の社員です。彼らの冥福を祈り、ただ手を合わすことしかできなかったことを今でも悔しく思っています。

―筆舌に尽くし難い経験を経ながらも、復興にご尽力をなされたのですね。
社長:震災後は、どこの会社も人手不足に陥った一方で、幸いなことに当社は多くの社員に入社いただき、戦力となってくれました。あれから6年が経ちますが、当時の苦難を乗り越えてくれた有能な社員の多くが、現在も当社で活躍してくれているのは大変ありがたいことですね。


■自信と責任感が社員を育てる

―困難に見舞われながらも、今年で創業57年目を迎えられた原動力は何でしょうか。
社長:やはり、社員たちが真摯な心で仕事に励み続けてくれたことですね。57年もの間、同じ仕事を続けられるというのは、並大抵の努力では叶いません。日頃から社員に対して「長い歴史と実績のある会社ということに、誇りと自信をもって働きなさい」と伝えています。それが会社全体の自信にも繋がり、誇りを持って仕事に取り組むことがお客様の安心にも繋がるものと考えるからです。

―60周年に向けて社員教育にも力が入っているのではないですか。
社長:そうですね。供給過多の時代に、限られた市場の中で生き残るには「お客様に選ばれる企業」でなくてはいけません。そのために、社員全員が常に経営者の視点を持って行動することを今年のスローガンに掲げております。なかなか難しいことなのですが、社員全員が今まで以上に会社のことを考えて行動することで、お客様にも「責任ある仕事をしているな」と感じていただけると思います。


■目の前のお客様を大切に

御社が理想とする今後の経営展開について教えてください。
社長:新たな挑戦もいいですが「目の前のお客様を大切にし続ける」ことを、今後も核として守り抜きたいです。次にやるべきことは、その過程で見えてくると考えております。
 しかし、会社の後継者探しは喫緊の課題です。世間では「3代目で会社は潰れる」といわれますが、まさに私は3代目にあたります。定年まであと6年ありますが、円滑な事業承継に向け、今から考えていきたいですね。



▼本社前にて、雪が舞い散る日の1枚

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―斎藤先生がご指導の中で心がけていることをお聞かせください。
先生:正確な経営状況を、いち早くお伝えすることを最優先に考えております。建築業界は着工から完成まで年月を要するため、会計に特有の複雑さがあります。常に明確な試算表を作成しておかなければ、あっという間に会社の財政状態が不透明になり、経営判断にも支障をきたすことになります。東建様は熊谷社長をはじめ経営陣の方々が進取の気概をもって、率直に相談をしてくださるので、私も大変やりがいを感じております。

―熊谷社長、斎藤先生、この度は貴重なお話、誠にありがとうございました。東建様の、今後ますますのご活躍を祈念しております。

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株式会社 東建
代表取締役 熊谷 浩幸
設立   1960年
所在地  宮城県仙台市宮城野区銀杏町39-20
TEL    022-231-6920
URL   http://www.token-sendai.com/
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斎藤雅彦税理士事務所
税理士  斎藤 雅彦
(東北エッサムファミリー会  総務部 部長)
所在地   宮城県仙台市宮城野区萩野町2-6-3 カーサラフィーネ1階
TEL    022-796-1556
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