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第10回 株式会社 東京堂(東京都中央区)

職人が造花に込めた“匠の技”創業90年を迎えた造花業界のリーディングカンパニー

 本格的に日本に造花が広まったのは、1962年プラスチック製の造花「ホンコンフラワー」が日本に上陸した以降のことです。永遠の命を持った美しい花々を当時の日本人は「夢の花」と呼びました。
 それに先駆けること36年前、株式会社東京堂は造花にまだ親しみがなかった時代に、いちはやく、造花製造業を開業しました。以来「花のある暮らし」の魅力を、全国の家庭へと伝え続け、今年で創業90周年を迎えます。今や造花業界を牽引する存在として、業界内で常に注目を浴び続けています。
 今回は、代表取締役会長・鈴木章氏、並びに代表取締役社長・鈴木勝美氏、そして税務指導担当の八重洲綜合事務所の深澤博先生・芦塚泰先生と高橋孝一郎税理士事務所の高橋孝一郎先生に同席いただき、東京堂の“華”麗なる経営についてお話を伺いました。

 

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左から芦塚泰先生、深澤博先生、鈴木章会長、鈴木勝美社長、高橋孝一郎先生
 

■造花販売の枠を超えた営業活動

―まずは、御社の事業内容についてお聞かせください。
社長:日本全国の一般家庭の皆さまのもとへ、「花のある暮らし」をお届けすることが我々の願いです。そのため、一般家庭の皆さまにとって身近な存在である小売業や、雑貨販売の方々、あるいはデザイナーなど、花を専門に扱う業界のお客様を、当社のスピリットを共有するパートナーととらえ、花資材の提供から商品展開コンサルティングまで、造花販売の枠を超えた営業活動を行っております。
こうした活動を通じて「花の生活文化」を創造することを、常に事業の根幹と捉えております。

―単純に造花という商品を取り扱っているのではなく、「花のある暮らし」を提案している、ということですね。
社長:その通りです。花という“モノ”自体にとどまらず、花のある生活の中で得られる「価値」を提供しているのです。これは一般に「生活財」と呼ばれています。生活財には“使用することで体験する価値”“心豊かに観賞する価値”“所有することの満足感による価値”など、様々な意味が含まれています。当社は、人々の生活を豊かにするための「生活財」の提供を通じ、社会へ貢献していきたいと考えているのです。

―“モノ”自体にとどまらない「価値」という言葉に、御社の強いこだわりを感じます。
社長:当社のこだわりは、商品にも活かされています。私たちは、職人の技によって製造される花を、単なる「造花」ではなく、「匠の花」と呼んでいます。花に込められた職人の心を伝えたいという思いがあるからです。造花技術は年々改良が重ねられ、現在では、生花とほとんど区別がつかないレベルまで技術が高まっております。


■季節感を楽しむ習慣を失った日本人

―近年のフラワービジネス業界の変化についてお聞かせください。
社長:創業当初と比べ、現代の日本は花に親しむ習慣だけでなく、季節感を楽しむ習慣さえも薄れてしまっています。これを最も危惧しています。今、外国人観光客が大勢日本を訪れていますが、日本人本来の生活文化や暮らしを伝えられる人はどれだけいるでしょうか。昔は端午の節句に合わせ、どこでも売っていた花菖蒲も、いまやスーパーの片隅にポツリと置かれているだけで、その意味も由来も、何も伝えられることはありません。野菜に旬があるように、花にも旬があるのです。そういった“日本人の季節感を味わう心”を皆さまに取り戻していただければと思いますし、当社もそうした活動に今後も力を注いでまいります。


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本社エントランスに設置されたディスプレイ。ハロウィン仕様にデコレーションされたディスプレイに、思わず目が惹きつけられます。


■社内に大学?!特徴的な社員教育環境

―御社の社員教育の取り組みについてお聞かせください。
社長:今年の6月にCFL大学という、社内教育機関を設けました。CFLとは、東京堂の『花のある暮らし』のイメージを『Creative Floral Life』と名付け、登録商標にしたものの略称です。CFLでは、これまで個々に行っていた社員教育を、体系的学習へと組み直し講義を行っています。基本的に、社内で経験を積んだスタッフが講師を務めるので、現場の即戦力になる知識が身につけられるようカリキュラムを工夫しており、着実に効果が表れております。


■ビジネスサイトへの取り組みを強化

―今後の展望や目標などがあればお聞かせください。
社長:今後は、Net CFLというB to Bのビジネスサイトの開発を一段と進めていきたいと考えています。当社は約3万点の商品を扱っており、そのうち年間約30%の商品の入れ替えが行われています。商品は主にNet CFL上のネットカタログにて紹介しています。常に最新の商品情報をお客様に伝えるため、最も効果的な形で商品掲載ができるよう工夫が必要です。そのため、システムの開発には余念がありません。


税務署から昭和62年を第一回として優良申告法人の表敬状を受ける

―それでは最後に深澤先生にお伺いします。東京堂様は優良申告法人として、昭和62年より表敬状を受けておられるそうですね。
深澤先生:優良申告法人の認定率はわずか1%以下と言われております。認定されるには、申告内容を正確にするだけでなく、普通の会社よりも大きな業績や利益を上げ、かつ多大な納税を行っている必要があります。表敬状をもらうということは、いわば国からの絶大な信頼を得ている証です。東京堂様は、常に他社の一歩先をいく経営を徹底し、その結果として赤字は一度も出したことがありません。今後もパイオニア精神を持ち続け、花業界を導く存在であり続けていただきたいと思います。

―鈴木会長、鈴木社長、税務担当の先生の皆さま、ご多用の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございました。東京堂様の今後ますますのご発展を祈念しております。

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株式会社 東京堂
代表取締役会長  鈴木 章
代表取締役社長  鈴木 勝美
創業   1926年
資本金       8,000万円
所在地  東京都新宿区荒木町13-3  
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税理士法人 八重洲綜合事務所
税理士  深澤 博、芦塚 泰
所在地   東京都中央区八重洲1-9-9 東京建物ビル8階
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渡邊淳一税理士事務所
税理士  渡邊 淳一
所在地   神奈川県横須賀市小矢部3-15-12
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高橋孝一郎税理士事務所
税理士  高橋 孝一郎
所在地   東京都台東区根岸1-10-15 下田ビル302号
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