税理士、公認会計士向け総合支援情報サイト

TOPエッサムファミリー会のご案内顧問先企業紹介第4回 株式会社 竺仙(東京都中央区)

第4回 株式会社 竺仙(東京都中央区)

時代の変化を敏感に感じ取ることの大切さとは?天保13年(1842年)から続く老舗呉服屋に訊く!

chikusen1.JPG東京都中央区日本橋で事業を営む株式会社竺仙(ちくせん)は、天保13年(1842年) 創業という老舗の浴衣・江戸小紋中心の呉服屋です。

そこで今回は170年以上もお客様に愛され続ける竺仙の魅力と、昔からの伝統を守りながらも、時代の変化を素直に受け止め、柔軟に対応する事の大切さについて、株式会社竺仙の代表取締役で五代目当主の小川文男社長にお話を伺いしました。




■株式会社竺仙について
chikusen2.JPG ―まずは御社の事業内容についてお聞かせください。
社長:浴衣・江戸小紋を中心に、創作オリジナル商品の生産・卸・販売の全てを行っています。いまの言葉で言えばSPA型企業(生産小売型企業)と言えると思います。江戸の頃はこのような事業スタイルは、特別なことではなかったようですが、このようなスタイルが今でも続いているのは、我々のような呉服屋を除くと少なくなってきたのではないでしょうか。しかも、この業界の中でも、卸と言うものを主体にして、卸をするために物作りをされているという企業はありますが、最終的に小売りまで当社のように行っているところは本当に少なくなってきていると思います。


■江戸っ子ならではの“粋”とは

―染めの工程は、現在では機械を使用する企業が多いと思いますが、敢えて手作業を守り抜いておられるのですか?
社長:そうですね。機械で大量生産したものと、職人が手作業で染めたものとの違いは、比べてご覧になると一目でわかります。例えば、浴衣で比べてみると、ちょっと風が吹いた時にひらひらっと裏地が見える。機械染めですと裏には柄が無い真っ白なものになってしまいます。ところが手染めの場合は、裏にも同じ柄を付ける事ができます。だから、風が吹いた時や腕まくりした時に裏地にも柄が付いていると、ちょっとお洒落ですよね。そういう感性・美意識を、江戸っ子は“粋”と表現して大事にしてきました。このような、機械染めには決して真似する事が出来ない代々受け継がれた職人による手作りの味を、当社は大事にしてまいりましたし、これからも大事にしていきたいですね。


■使ってみればわかる本物の品
chikusen3.JPG
―お客様にはどのように商品の特徴をお伝えしているのですか?
社長:手拭いを例に挙げてみますと、当社では手拭いも、オリジナルの生地を使用しています。通常は、メーカーより小幅の生地を仕入れて染めるという工程が一般的ですが、私どもでは生地から個別に織らせています。なぜかと申しますと、実用的に、やはりこの生地でないと、あせも吸い取らないし、手を拭いた生地が一日中べたついてしまうからです。でも普段はこのような違いを喧伝するようなことはしておりません。
なぜなら、当社製品は実際にお客様が触れて、感じていただく以外ないからです。ですから普段は「使っていただければ分ります」とだけ申し上げるようにしております。

―使ってみないとわからないものを伝えるということは、なかなか難しいですね。
社長:その通りですね。しかしながら、最近はインターネットの普及により、ホームページを経由して「竺仙の新作は、どこに行けば見られるの?」というお問い合わせをいただく機会も増えてまいりました。また、私どもが発信するだけでなく、お客様ご自身が当社製品の良さをFacebookやTwitterのようなソーシャルメディアを使って、より多くの方に発信していただけるようになったのは大変有難いですね。


■伝統工芸品ではなく、あくまでファッション

―御社のような歴史のある企業と、インターネットという新しい武器の組み合わせは大変興味深いですね。
社長:そのような見方をされることもありますが、当社と取引のある全国約500近い専門店で働かれている方々の「口づて」だけを昔ながらに頼りにしていれば、次第に当社のことを知らない方が増えてきてしまいます。よく勘違いされるのですが、我々は老舗の企業だからと言って、伝統工芸品を売っているわけではありません。服飾品である以上は、その時代のファッションとして、相応しいかどうかを基本にするべきです。ですから、時代と共に新たなデザインを取り入れる事はもちろんのこと、情報発信のスタイルも新しいものを取り込んでいくのは当然のことだと考えております。


■竺仙が目指す未来像とは

社長:今まで培ってきた呉服屋としての基本スタイルを守りつつも、竺仙のデザインを浴衣や小紋などの限られた用途だけに使うのは勿体無いと思っています。最近では、大手のショッピングセンターの大きなショーケースに当社の柄が使われたり、アニメのキャラクターとコラボした製品などの企画も進んでおり、今後も竺仙のデザインをより多くの生活空間に活かして行けたら面白いと考えております。

―まさに可能性は無限大ですね。
社長:そうですね。他にもヨーロッパの方々は壁紙が大変好きなので、竺仙のデザインを壁紙とかカーテンなどの生活空間にも活かしていくというような展開も面白いだろうなと考えています。

―小川社長。大変お忙しい中、取材に応じていただきありがとうございました。株式会社 竺仙様の益々のご発展を祈念しております。


========================
株式会社 竺仙
代表者   小川 文男
創業    1842年(天保13年)
設立    昭和31年3月1日
従業員数  20名
所在地   東京都中央区日本橋小舟町2-3
TEL    03-5202-0991
URL    http://www.chikusen.co.jp/
========================

~ 顧問先企業大募集 ~

先生方の顧問先様で特色のある経営・社員教育・人材活用や果敢な挑戦をおこなっておられる顧問先企業様を是非ご推薦ください!
連絡先:最寄のエッサムファミリー会事務局(営業所) まで
ページの上部へ