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第8回 石坂産業 株式会社(埼玉県入間郡)

産廃業のイメージを一新した リサイクル業界の革命児

石坂産業株式会社は、昭和42年に土砂処理業社として設立。平成11年の『所沢ダイオキシン騒動』をきっかけに、一時は存続の危機に立たされるも、産廃業のイメージを変えようと企業改革を行い、現在ではリサイクル業界の革命児として、世界中から注目をあびる企業となりました。いったいどのような変革を経て現在に至ったのか、石坂知子専務と顧問税理士の加藤大典先生にお話を伺いました。

 

■石坂産業 株式会社について

―まずは御社の事業内容についてお聞かせください。
専務:そもそもは創業者である石坂好男が、再生可能な廃棄物の山が、東京のお台場に投下されるのを見た時「これからはリサイクルの時代だ」と確信し、埼玉県三芳町に産業廃棄物を再資源化させるプラントを立ち上げたのがはじまりです。現在も、最終処分場に持ち込む廃棄物を減らし、再利用製品に生まれ変えることをメインに経営を続けています。

―“ゴミにしない技術”の独自開発によって、再資源化率95%を誇っているそうですね。
専務:じつは、コンクリートと木材に関しては100%再資源化に成功しています。コンクリートは舗装の埋め直し材に代わる砂や砕石に、木材は細かいチップにし、家畜の敷き藁や、トイレットペーパーなどの再生紙に生まれ変わります。その際、混合廃棄物を細かく分別分級するのですが、手間がかかるため、ほとんどの企業は機械に任せきりになり、再資源化率が低いのです。当社では特許を取得した独自の処理と、人の手による選別を併用することで、業界では不可能と言われていた95%の再資源化率を実現しました。


■「産廃屋反対!」非難殺到、存続の危機

―産廃業のイメージ改革に取り組んだと聞きましたが、その経緯をお聞きかせください。
専務:平成11年に「所沢の野菜にはダイオキシンが付着している」との誤報がメディアを通じて全国に流れ、農家の方々が多大な風評被害を受けました。さらに近隣住民が公害調停を申請し、所沢にある産廃業者の煙突が全て撤去処分を受けました。その上、解体前一番大きな煙突をもっていた当社に「そもそも産廃屋があったのが悪い」と非難が集中したのです。そこで、騒音・粉塵・環境に配慮しようと、巨額の投資を行って会社をすべて囲める防音壁を建てたのですが、今度は「会社は何かを隠している、ここから出て行け」と抗議運動に発展してしまいました。良かれと思って実行した事が、全く受け入れられず、どん底にたたき落とされた思いでしたね。


■迷惑産業”と言わせない! 逆境をバネに永続企業へ

―まさしく絶体絶命ですね。その状況をどうやって切り抜けたのですか?
専務:存在を否定されているゴミ処理業界のイメージを一新しようと、現社長の石坂典子に経営が引き継がれたのが、ちょうどこの頃です。まずは、焼却以外の収入源を得るために、違法廃棄が社会問題となっている“建設系廃棄物”に的を絞り、全天候型プラントを立ち上げました。また、工場内を見学できる通路を設置するなど、会社の“見える化”にも取り組みました。これらの大型投資は、当社の現在の年商のほぼ“100%”に相当します。失敗すれば倒産覚悟の一大決心でした。


■会社を変えるには社員の力が不可欠

―その後、改革は順調に進んだのですか?
専務:いいえ。ISO取得に際しては、反対した4割の社員が辞めてしまい、ここでもまた「このままでは経営が成り立たないかもしれない」という危局に立たされました。しかしISOの取得は、“第三者”から審査・認定を受けることで、社会的信頼・評価を得る絶好の手段であり、当社が生き残り、再浮上するには欠かせない認証でした。この時、結果的に意識の高い若い社員のみが残ってくれ、その後の会社を大きく成長させてくれることに繋がったのは大きかったと思います。

―改革中、一番力を入れたのは何ですか?
専務:やはり、社員の質は会社の質、“社員満足”には特に力を入れました。まず、粉塵の中、働く従業員の健康を第一に考え、大型の集塵機に数億円を投資しました。また、自分の働きを自己評価して、会社がフィードバックする給与形態を導入しました。さらに、社員の声を大事にしようとボトムアップの管理スタイルを採用、徐々に社員のモチベーションも上がり、良い循環が生まれましたね。

―御社では、一企業の枠を超えて、里山の保全活動にも取り組まれているそうですね。
専務:管理敷地面積17万4千平米のうち、8割は緑地管理地、2割が工場です。工場法では2割が緑地、8割が工場の義務づけですから真逆の割合です。2003年に地域交流の場として『花木園(くぬぎの森)』(現・三富今昔村)という公園施設を造り、里山固有の動植物の管理や、自然体験学習の場などを設けました。今では社会見学も行われ、年間1万人の方が訪れてくれています。“百聞は一見に如かず”たくさんの方に来場して頂きたいです。



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―それだけの施設の維持費はどこで賄っているのですか?
専務:やはり本業で得た利益ですね。産廃業者の中では“見積もりを出さずに料金を請求し、時に、お客様に不利益が生じても気にしない、不法投棄で丸儲け”というモラルの低下が問題になっていました。しかし、当社は必ず事前に見積もりをお出しし、その価格にご納得いただいてから仕事を引き受け、正しく処理した“正当な売上”で利益を得ています。現在売上が右肩上がりなのも、お客様に当社の“方針・技術”に共感をいただけたからだと思います。


より信頼できる企業を目指して

今後、新たに挑戦したいことはありますか。
専務:当社は、建設廃棄物の資源化は資源循環型社会形成の基盤であり「地産地消型産業」を目指すべきとの考えから、3万坪に及ぶ敷地内の畑で作物を育て、商品化し、六次産業化認定を受けています。今後は有機農法にも取り組み、より環境や健康に配慮した作物を育てていくつもりです。

 

 

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■悩みのレベルがひと味違う顧問先
―加藤先生、最後に石坂産業様の税務指導についてお聞かせください

先生:一般的な節税相談ではなく「税務処理を徹底して、どこからみてもクリーンな会社でありたい」「新規事業に全面的な経営サポートが欲しい」という相談を頂けるので、税理士として、やりがいを感じています。今後とも、精一杯サポートさせていただきます。

―石坂知子様、加藤先生。本日は貴重なお話ありがとうございました。今後益々のご発展を楽しみにしております。

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石坂産業 株式会社
代表者   石坂 典子
創立    昭和42年7月
資本金        7,000万円
所在地   埼玉県入間郡三芳町上富緑1589-2
TEL      049-259-1177
URL     http://ishizaka-group.co.jp
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加藤大典税理士事務所
税理士   加藤 大典
(関東エッサムファミリー会 会計監査)
所在地     東京都新宿区百人町1-17-6
TEL     03-3361-6361
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