税理士開業塾スタッフの山内です。
税理士の先生方、職員の皆様は確定申告の真っ最中ですね。
お忙しいとは思いますが、体調には気を付けてくださいね。
さて、
今回は、価格戦略について書こうと思います。
税理士業界においても、価格競争の波が押し寄せて久しくたちます。
会社設立0円で顧問契約のフックにしたり、相続業務でもパック料金が出始めています。
その他として、条件によりますが1万円を切る顧問料も登場しています。
価格は非常に難しい意思決定です。それを戦略的に捉えないといけません。
先日、別業界ですが価格戦略のいい事例がありましたのでご紹介させて頂きますね。
新聞やニュースで見られた方もいると思いますが、
「夜行バス:ドリームスリーパー東京大阪号」です。
東京と大阪を結ぶ夜行高速バスで全11席で料金は片道2万円。
特徴は、一部抜粋しましたがホテル並みの装備を備えているところです。
・パーティションで仕切られた個室
・AC電源にUSBコンセント
・無料WiFi
・トイレにパウダールーム(共有)
一見すると、いくら装備が良くても2万円するんだったら、新幹線使うよと思う方が多いかと思います。
たしかに、夜行バスの「競合」として「新幹線」とおいてしまうと、この価格設定は高くなりますが、
「2万円」という価格の根拠は記事によると
「新幹線の普通席よりも高い設定だが、ホテル代を考慮すれば料金面でも競争力がある」
とのことです。
つまり、「競合」は「新幹線」ではなく「新幹線+ホテル」になるわけです。
新幹線指定席(東京~新大阪)14,450円
ビジネスホテル6,000円ぐらい
ちょうど2万円くらいになります。
ですので、この価格設定は競合他社の相場に基づく決定というのがわかります。
上段で書きましたがこの夜行バスはホテル並みの装備があります。
「ホテルと同じくらい快適に過ごせる装備=ホテルと同じくらい快適に一夜を過ごせるバス」
とお客様に思ってもらえれば、この価格設定に納得感がでてきます。
最後に、もう少し踏み込んでみましょう。
このままだと他社(新幹線+ホテル)同等の価格設定で「強み」がありません。
ドリームスリーパーの強みは、「東京都心部に新幹線より遅くまでいられ、大阪には朝早く着く」になります。
夜行バスのデメリットであった「寝るのがきつい」これがドリームスイーパーでは解決されています。
どうしてもギリギリまで東京にいる必要があり、かつ大阪に朝早く着く必要があるケースに強みを発揮します。
座席数も11名ですので、東京都心であれば、ニーズは充分あるのかと思います。
会計事務所・税理士事務所における価格設定に話を戻しますと、
まず、競合事務所(地域+商品)の価格を調査しましょう。
そしてご自信の強みを考慮した価格設定を行うと良いと思います。
・価格は同等、強みがある程度ある
・価格は少し負けるが、強力な強みがある
・価格は断然負けるが、圧倒的な強みがある
これから、独立し会計事務所・税理士事務所の開業を検討されている方は、「価格」と「強み」について、
検討されることをお勧めいたします。