税理士開業塾スタッフの山内です。
先日、関東エッサムファミリー会主催の企業研究「浜野製作所見学会」を運営してきました。
参加者は税理士の先生方と顧問先の企業様です。
会計事務所業界での特化の必要性は本ブログにていろいろ書いてきましたが、
製造業においても特化の重要性は一緒です。
特に、外国での大量生産が当たり前となった今、国内にある製造業メーカーは生き残りをかけ、
様々な取り組みに挑戦しています。
今回見学してきた「浜野製作所」様は
精密板金加工・プレス加工・溶接といった技術を備え、大量生産から少量多品種の生産へシフトチェンジに成功。
取引先を15年で120倍に、売上を20倍に増やし成長し続けている企業です。
「浜野製作所」様が本社を置く東京墨田区はでは、45年前に1万社ほどあった町工場の減少が続き、
現在、約2,500社まで減っているそうです。
そうした中、少量多品種へシフトチェンジし特化することを決断しました。
見学会の中で得たポイントをいくつか紹介したいと思います。
1.産学官連携への積極的な取り組み
深海探査艇「江戸っ子1号プロジェクト」への参加。
芝浦工業大学・東京海洋大学・東京東信用金庫等と深海8000メートルの深海にも耐えうる無人探査艇の取り組みは、
大きな注目を浴びました。その他にも電気自動車「HOKUSAI」開発プロジェクトなどにも参加しています。
産学官連携に積極的に取り組むことでノウハウの蓄積はもちろん、メディアへの露出も増えていきます。
2.メディアの活用
いくら技術を持っていても「浜野製作所」を知らなければ依頼はきません。
メディアへの露出、HPを活用した活動のPRなどを積極的に行い、「浜野製作所」なら1点ものでも、施策品でも依頼できるという土台を作り上げました。
他の企業が嫌がる試作品などの1点ものを積極的に受注することによって、差別化を図り特化していったわけです。
今回の見学会もTBSのTV番組「白熱ライブビビット」が取材にきていました。
もしかしたら、私も映っているかもです!
3.人材の確保
会計事務所業界では、今非常に採用が難しくなっています。税理士を目指す若手の減少、大手税理法人希望が多く、個人事務所や小規模の税理士法人には、なかなか人材が集まりません。
国内の中小の製造業も一緒です。
しかし「浜野製作所」様では、インターンシップを年2回、約2週間開催し、学生に自分で考え、作る喜びを知ってもらうことで、優秀な人材を確保しています。
いかがでしたでしょうか?
企業研究では税理士の先生方に中小企業の取り組みを、見学を通じて知ってもらうことで、顧問先への指導に役立てて頂いております。
特に今回の事例でいえば、顧問先の企業様と「浜野製作所」様のマッチングの橋渡しを税理士の先生方がしてあげても面白いと思います。
これも、製造業をはじめ複数の顧問先を持つ税理士の先生だからできる顧問先支援の一つだと思います。
これから会計事務所・税理士事務所の開業を検討されている先生方も、他業種の取り組みは非常に参考になりますので、
ご興味のある分野などベンチマークすることをお勧めいたします。