税理士開業塾スタッフの山内です。
現在、私は税理士開業塾の企画・運営以外にも「介護事業者指導研究会」の企画・運営も担当しております。
今日は、「介護事業者指導研究会」の情報収集の為、保険外サービス展に行き、私なりに思ったことを書こうと思います。
2016年の福祉・介護事業者の倒産件数は108件で過去最多となりました。
(東京商工リサーチ調べ)
原因は介護報酬の引き下げと、介護職員の人材不足があります。
市場規模は拡大していますが、上記理由により特に小規模事業者が予定通りの経営が出来ず倒産するケースが多いようです。
そこで
介護事業者に対して税理士の先生方が、どのような経営アドバイスが出来るかという観点で、
今後、成長が見込まれる介護保険外サービスについて情報収集することにしました。
そもそも、
介護保険で認められないサービスというのは厚生労働省によって通知されており一部抜粋しますと、
・直接本人の援助に該当しない行為
・日常生活の援助に該当しない行為
と書かれています。
具体的なケースで言いますと、ご利用者の家族への食事提供だったり、ご利用者がいない間の家事代行だったり、映画などの趣味の為の外出の付き添いなどです。
当然、このような介護保険外へのニーズはかなりあるのですが、実際は介護保険外のサービスを提供している事業者は少ないとのことです。
※ケアマネの9割以上が保険外サービスの必要性を感じているとのアンケート結果もありました。
介護保険外サービスの課題は何かというと
・保険内サービスしかしたことがなく、かつ事例も少ないため事業者が二の足を踏んでしまう。
・1割負担の保険内サービスと全額負担の保険外サービスを並べたときに、ご利用者にとって割高に感じてしまう。
などがあります。
また、保険外サービスを行うということは、今までの競合(他の介護事業者)とは別の競合(家事代行サービスなど)との競争になりますので、
いままでにないノウハウやマーケティング能力が必要になります。
セミナーでも、サービスの出だしは必ず失敗すると思ってくださいとおっしゃってました。トライ&エラーを繰り返し、ブラッシュアップしていくことが必要とのことです。
では、
税理士の先生方が保険外サービスについて、どのようなアドバイスができるかという観点で考えますと、
まずは情報の提供だと思います。
現在、関連省庁が保険外サービスについて取り組みをしています。
例えば、厚生労働省、農林水産省、経済産業省の連携で「公的介護保険外サービスのガイドブック」を出しています。
また、政府で混合介護(保険サービスと保険外サービスのパッケージ化での提供)を検討していたり、東京都の豊島区が保険外サービスの特区を検討していたりなど、保険外サービスの情報が増えてきておりますので、こういった情報を提供するだけでも喜ばれると思います。
あとは、
保険外サービスは介護事業者だけではとてもビジネス化できませんので、アライアンス先を紹介するのも良いですし、
保険外サービスも含め財務状況をチェックして将来予測を立ててあげるべきかと思います。
最後になりますが、
「介護事業者指導研究会」にて保険外サービスの実例も踏まえたセミナーを企画しようと思ってますので、
介護に特化、介護事業者を顧問先にお持ちの先生方で、ご興味のある方がいらっしゃいましたら、
是非、ご参加ください。