すみだ3M運動にみるブランディング戦略と中小企業PRアプローチ
~メディア至上主義からの脱却と消費者へ届くメッセージとは?~
■すみだ3M運動
墨田区は、ものづくり産業のPRとイメージアップによる地域活性化を目標に、“すみだ3M運動”を1985年から実施しています。
3Mとは、墨田区の産業を支える付加価値の高い製品を創る方を認定する「マイスター運動(Meister)」、まちの産業と文化にかかわるコレクションを工場や作業場などの一部を使って展示する「小さな博物館運動(Museum)」、製造現場と販売店舗を兼ね備えた「工房ショップ運動(Manufacturing Shop)」、これら3つの頭文字のMをとって名付けられた運動です。
今回で2回目となる企業研究シリーズでは、すみだ3M運動を例に、中小企業のブランディング戦略とPRアプローチについての講演と、実際に“すみだ3M運動”に認定されている「工房ショップ」と「小さな博物館」について体験・見学を実施しました。
■講演
講師の内田芳嗣氏は、老舗の名刺や封筒の紙製品メーカーである株式会社 山櫻で、広報を担当。社内業務以外にも墨田区の産業振興会議委員、日本デザインマネジメント協会総合研究所の幹事であり、東京造形大学のゲスト講師など幅広い活動をされています。
すみだ3M運動”について、映像を交えてご紹介していただいたあと、後半は過去2年間で201回も取材を受けている3M運動の事例などをもとに、コミュニティの活用、企業PRや企業品質に不可欠なファクターや連鎖型統合マーケティングコミュニケーションについてなど、中小企業にとって難しいPRをどのように展開していけば良いかをお話していただけました。
■体験(桐箱への家紋・江戸文字入れ)
講演後は、すみだ工房ショップに認定されている「アトリエ創藝館」による、桐箱への家紋と江戸文字入れを体験しました。
ご参加のみなさま、大変集中して作成しておられました。
■見学①「ブレーキ博物館」
最初の見学先は、小さな博物館「ブレーキ博物館」です。館長の杉本様によるABS(アンチロック・ブレーキ・システム)についてのお話と、シミュレーターを使った体験を実施しました。
車に搭載されていることを知っているだけでは、ABSを完全に作動させることは難しいそうです。シミュレーターを使うことで初めて「ブレーキペダルが連続的に強い力で押し返してくるが、決してブレーキを緩めてはいけない」ということがわかり、大変勉強になりました。
■見学②「大関鞄工房」
見学先2件目は、工房ショップ「大関鞄工房」です。革の裁断や革漉き、縫製などの製品になるまでの工程を見学することで、店頭で陳列されている製品からでは見えない部分のこだわりを実感することができました。
また、海外有名ブランドの鞄にまつわるお話など興味深いお話をたくさん聞くことができ、見学後に魅力ある製品をご購入された先生も多数いらっしゃいました。
■見学③「名刺と紙の博物館」
最後の見学先は、ちいさな博物館「名刺と紙の博物館」になります。ここでは貴重な名刺や人間国宝名刺の他に、名刺の歴史や語源、昭和20~30年頃使われていた名刺製作のための道具なども展示されております。この博物館では、企画展やトークショーも不定期で行われており、「すみだ3M運動」を通して地域の方々とのコニュニケーションの場として利用されているとのことです。
最後になりますが、参加された先生より「すみだものづくり」と、地域の活性化に取り組む各企業の意気込みを感じた」とのご意見を頂戴いたしました。ありがとうございます。
また、“すみだ3M運動”について詳しくはこちらをご覧ください。
■続々企画中!
企業研究シリーズは続々企画中です。詳細はこちらのページで随時更新しておりますので、是非ご覧ください。