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第17回 高森田楽の里(熊本県阿蘇郡)

震災に負けない! 先人にならい伝統を守り抜いた阿蘇高森の昔覚ゆ田楽屋

 およそ250年前、諸国行脚に出た阿蘇高森の村人が豆腐の田楽を持ち帰りました。田楽はたちまち村に根付き、独自の進化を遂げ、連綿と受け継がれ、やがて村には『田楽の里』の名がつきました。
 そんな田楽の里に、昔ながらの田楽料理を提供している食事処「高森田楽の里」があります。昨年の熊本地震では、一帯が甚大な被害を受けながらも、決して諦めない不屈の努力を積み重ね、現在では客足も戻りつつあるそうです。
そこで今回は、多くのお客様から愛され続けている同店の秘訣について、役員の工藤八重子氏、そして顧問税理士の臼井清也先生にお話を伺いました。

 

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▲左から臼井清也先生、役員の工藤八重子氏
 

 

■伝統の味は伝統の場所で食すべし

―まずは貴店の事業概要をお聞かせください。

工藤氏:1980年の創業以来、高森で代々受け継がれてきた田楽を、古き良き伝統的な田舎の日本家屋で、囲炉裏を使って焼き、味わっていただいています。
そのために、食事処として高千穂(宮崎県北端部)の方から元は庄屋だった築210年の合掌造りの茅葺き屋根の民家を一度バラして、この地で組み直しました。お客様からも「伝統的な食べ物は、伝統的な場所で味わうからこそ真価がわかりますね」とお褒めの言葉をいただいております。日本でも普通のピザは食べられますが、イタリア現地の本格ピザには絶対敵わないのと同じですね。



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■昔話から飛び出したような雰囲気のある店内

―高森の田楽の特徴について教えてください。

工藤氏:そもそも、田楽は古くから庶民の間で親しまれてきた料理です。中国から豆腐が伝来した後、人々は豆腐を串に刺し、味噌を塗り、焼いて食べるようになりました。その串の姿が、農家が五穀豊穣を祈願して踊る「田楽舞い」によく似ていたことから、田楽と呼ばれるようになったのです。
 高森では田楽の材料として特産の「つるのこ芋」に着目しました。それを村々のお寺で、檀家さん達が成道会の日に食べるようになり、やがて作物の収穫をねぎらう料理や、農家が囲炉裏端で楽しむ料理へと阿蘇高森を代表する郷土料理として発展していったのです。


■他のお店では決して味わえない最高の高森田楽料理を

―「つるのこ芋」とは里芋のことですか?

藤氏:正確にはつるのこ芋が大きくなったものが里芋です。諸説ありますが、鶴の首のような細長い形からその名がつきました。阿蘇は阿蘇山が噴火し火山灰が積もるので、土地に栄養がないため、痩せた土地でも育つ里芋がこの地の主食でした。特に高森の“色見”という土地で育った芋は実が締まり、味が良いこともあり、田楽が高森に持ち込まれた際には、自然とつるのこ芋を田楽に使うようになりました。珍しい品種のため収穫量が少なく、また地産地消の観点から一般には出回らず、高森田楽を扱う店でしかなかなか食べられません。

―田楽味噌にも特徴があるそうですね。

藤氏:つるのこ芋は季節の味噌、沢蟹・茄子には黒い山椒味噌、豆腐は柚子味噌、こんにゃくには鶏味噌―という風に、田楽の素材毎に専用の味噌をご用意しています。はるばるお越しいただいたお客様に、他の田楽屋では決して味わえない、最高の田楽を提供したいと考え、丹精込めてご提供しております。

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■熊本地震によりインフラ遮断。初めて訪れた閉店の危機

―昨年発生した熊本地震では、営業を停止せざるをえなかったそうですね。
工藤氏:ニュースでご覧になられた方も多いと思いますが、阿蘇大橋は地震により崩落し、俵山も通行止めになりました。まるで陸の孤島のような状態です。車を使わないと来店が難しい当店にとっては、大変深刻な問題でした。幸いにも、建物自体の被害はほとんどなく、一週間後には営業を再開できましたが、しばらくは、店の電気を一日中つけっぱなしにして「営業再開していますよ」と、アピールしながらのスタートとなりました。



■高森のご先祖様にならい危機を脱す

現在の状態に戻るまで、かなりの苦労があったことと思います。
工藤氏:再開後も度々停電があり、満足にお客様をお迎えできる状態ではありませんでした。いつ復興がかなうとも分からぬ現状を前に「ここまで築き上げた伝統の店も、もうここまでか…」と僅かな希望も見出せなくなりました。しかし、そんな絶望の淵で、主人がふと、つるのこ芋を手に取り、言ったのです。「電気がなければ、かつて高森のご先祖様が米はなくても土地に合う里芋を育てたように、古民家らしく蝋燭の火を灯せばいい」と。
 ダメ元の策ではありましたが、蝋燭の灯りが店の雰囲気を引き立てていると、お客様の間で瞬く間に話題となり、マスコミにも取り上げられるまでになったのです。それ以来、大変有難いことに各地から応援の声が届き、実際に足を運んで下さる方も増えていきました。まだまだ最盛期の客足には届きませんが、インフラの復旧も進み、ご来店しやすい環境が整ってきております。是非、皆さまにもご来店のうえ、高森の田楽をご賞味いただければ、これ以上の喜びはございません。

 

―臼井先生にとって高森田楽の里様はどのような顧問先ですか。
先生:皆様が震災にめげず、工夫を凝らし一丸となって阿蘇高森の伝統を伝えておられる姿に「全力でサポートをしていきたい」と、日々意欲をかき立てられています。高森田楽の里様のご活躍は、他の顧問先様へも「諦めずに取り組めば、どんな窮地も脱することができる」と成功事例としてご紹介しています。

―工藤様、臼井先生、たいへん興味深いお話をありがとうございました。私共も、震災に負けずご活躍されている皆様の後援となるような活動を、精力的に続けてまいります。

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高森田楽の里
代表取締役  工藤 亮介
創業   1980年
資本金      300万円
所在地  熊本県阿蘇郡高森町大字高森2685-2
TEL    0967-62-2633
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臼井 清也 税理士事務所
税理士  臼井 清也
(南九州エッサムファミリー会 副会長)
所在地    熊本市北区楠8丁目17-13
TEL   096-338-9198
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