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第7回 株式会社 重慶飯店(神奈川県横浜市)

唯一無二のビジネスモデルを切り開く!本場伝統の味を守り続ける老舗中華料理店

株式会社重慶飯店は、1959年に横浜中華街唯一の本格四川料理専門店として創業し、国内7店舗のレストラン運営、中華菓子の製造販売、ホテル経営を3大メイン事業とする龍門グループへと発展、横浜中華街を代表する存在に成長した老舗企業です。そこで今回は、戦後の横浜中華街とともに、繁栄を続けてきた同社の軌跡と今後の展望について、李宏道(り ひろみち)社長と顧問税理士の大滝忠弘先生に話をうかがいました。

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■株式会社 重慶飯店について

―まずは御社の事業内容についてお聞かせください。
社長:当社は、重慶飯店等のレストラン事業、手作り中華菓子や点心の製造、販売を行う食品事業、自社ブランドを活かしたホテル事業の3つの柱で成り立っています。形態はそれぞれ異なりますが、いずれも本場四川の味を日本に広めるというコンセプトには変わりはありません。

―数ある中華料理の中で、四川料理を選ばれた理由はどのようなものだったのですか。
社長:重慶飯店の創業者は、わたくしの父、李海天です。戦後横浜へ来日したのですが、私を身ごもった母を気遣い、台湾で弁護士になる夢を捨て日本で生活する道を選びました。そこで、祖国北京で四川料理に親しんでいた父は、日本の四川料理の父、陳健民氏の協力を得て、広東料理と北京料理の店しかなかった横浜中華街に、本格四川料理の店、重慶飯店を開業しました。また、「本場の味」という、売り文句の横行で、どれが本当の味かわからない方も多かったので「四川の味を日本に広めることが祖国への恩返しになる」と考えた父は、本場の味に並大抵以上のこだわりがありました。他にも台湾の立法委員(日本の国会議員に相当)を務めるなど、日台文化交流や華僑の地位向上にも尽力し、生涯善行を積んだのではないかと思います。今は父が愛した祖国の味を守り、広めていくことが私の使命だと考えています。

―開業当初のエピソードなどがあれば、お聞かせください。
社長:はい。当初は立地条件に恵まれず、客足の獲得に苦労したそうです。そこで両親は、中華街初となるランチタイムメニューを打ち出しました。「手軽な料金で週替わりのランチが楽しめる」と話題になり、連日盛況が続きました。さらに、以前から「中華街はグルメタウンになるだろう」と見込んでいた両親は、中華菓子や点心を売る売店を始めました。それも、商品をお客様が自分で選び、手に取って購入する、スーパーマーケット式の販売方法を取り入れたものです。今では普通の形式ですが、当時の中華街では対面販売が主流でしたので、その販売スタイルは注目を集めました。


■中華街全体の利益のために

―1981年にはホテル業を開始されましたが、レストラン事業に加えホテル業を営む契機は何だったのでしょうか。
社長:戦後横浜は各都市同様、復興運動に励んでいました。1950年代後半には横浜中華街を観光の呼び水にしようと、当時の横浜市長と商工会議所会頭がサンフランシスコの中華街視察に赴きました。のちに牌楼(屋根付きアーチ形の門。中華街のシンボル的な存在のひとつ)建設が決まり、中華街の観光強化に目を付けた父は、ある貿易会社が売りに出していた土地を購入し、世界的ホテルチェーン「ホリデイ・イン」のフランチャイズ展開を目指しました。その際、その土地を巡り「これからは車社会の時代になるので駐車場を作る」と言う土地購入希望者が現れましたが、土地所有者は「中華街初となるホテルは、きっと海外の観光客を集め、地域をもっと繁栄させるだろう。そのような考えを持つ貴方に土地を譲ろう」と話し、父に土地を譲ってくれたそうです。以後、ホテルはグループの収益の要となりました。そして、ホリデイ・インとの契約満了に伴い、ホテル名を「ローズホテル横浜」に改称し、中華街を代表するホテルとして再出発しました。

―「ローズホテル横浜」には、エッサムファミリー会でも各種研修会等の催しで、大変お世話になっておりますが、ここまで立派なホテルに成長させるには、ご苦労も多かったのでしょうね。
社長:こちらこそ、いつも当ホテルをご利用いただきありがとうございます。そもそも当社のように、自社ブランドのレストラン、食品事業を持っていて、なおかつホテルを経営している、というビジネスモデルは、中華街にはありません。また、飲食店とホテルではビジネスモデルも、収支額もまったく異なります。苦労はしましたが、マーケティング、団体客を取るための営業、高い接客品質など、学ぶことが多かったです。それらを重慶飯店に転用し販売力を強化することで、双方に好循環が生まれたことは大きな成功でした。

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日本全国に重慶飯店の味を


―今後の事業展開についてお聞かせください。
社長:より多くの方に、当社のことを知っていただき、ブランドのイメージを高めていきたいですね。ローカルブランドからナショナルブランドへ発展させ、いずれは重慶飯店の味が各家庭でも楽しめるようになることが一番の目標です。

―具体的な施策などありましたらお聞かせください。
社長:あたりまえのようですが、食品の品質管理は企業イメージの向上には欠かせません。そこで当社は国際基準の食品安全規格ISO22000を取得しました。他に中華街で当規格を持っている店はありません。百貨店や、大手流通各社とお付き合いするにも、安心安全に対する保証は必須となります。他にも、健康を気遣い、国産有機野菜を積極的に使用するなど、こういった取り組みを今後も続けていくことが、より多くの皆さまからの信頼を得るためには必要不可欠だと考えております。

■指導が楽しくてしかたない顧問先
―では最後に、顧問税理士の大滝先生に 重慶飯店様へのご指導に対する思いについてお聞きいたします。

先生:私は中華街を中心に、横浜全体を盛り上げたいという社長の姿勢にたいへん共鳴しております。また重慶飯店様へは、訪問が毎回楽しみでならないほどに、業績の成長が著しい企業です。また、社員の皆さま同士の絆も深く、親子2代にわたって重慶飯店様に務めておられている方もいらっしゃるほどです。今後さらに社長をはじめとする皆さまの努力が大輪となって発展されることを期待しています。

―李社長、大滝先生、大変お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。李社長はお父様の遺志を引き継ぎ、事業のかたわら横浜中華街発展会協同組合理事長としてのご公務にも尽力され、中華街全体の発展にも寄与されておられます。重慶飯店はもちろん、観光都市横浜のますますの繁栄を楽しみにしております。


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株式会社 重慶飯店
代表者   李 宏道
創業    1959年
資本金        1,000万円
所在地   神奈川県横浜市中区山下町185番地
TEL      045−661−0755
URL     http://www.jukeihanten.com
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大滝税理士事務所
税理士   大滝 忠弘
(神奈川エッサムファミリー会 会長)
所在地     神奈川県横浜市旭区笹野台1-28-12
TEL     045-365-0800
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